衝撃的な幕開けから何が始まるのだろうかと肝を冷やしていたら一転、涼しい顔でいつもどおりの生活を送るイザベル・ユペール。一体どういう事なのかと疑問符だらけで観続けていくと、次第に彼女を取り巻く環境が明らかになっていく。その過程で垣間見えるイザベル・ユペールの、ある種狂気的な性質、性格に背筋が冷たくなるけれど、何よりも加害者側の素知らぬ顔、被害者意識に震えが止まらなかった。違うだろう、自分で蒔いた種だろうと幾度思ったことか。けれどこの映画の見どころは主人公の常軌を逸した復讐、彼女の中の狂気の目覚めにあると言う。
いつかまた、きちんと本質が見えるようになった頃、再度鑑賞したい作品。
