ドルジ

オクジャ okjaのドルジのレビュー・感想・評価

オクジャ okja(2017年製作の映画)
3.9
77点(100点満点中)
〈脚本〉37/45点
 動物愛護、資本主義、そして自然を思い通りにできると思い上がる人間の愚かさを、強烈に皮肉った作品だった。オクジャを感情豊かで高知能な生物として描き、序盤でしっかり視聴者に感情移入させた上で後半の展開に持っていくのが上手いけどニクい。
 動物愛護を過剰に擁護する訳ではなく、その限界や驕りもしっかり批判しているのが素晴らしい。ラスト、主人公が取った選択とその結末が本作のハイライトかつ本質を表しているのは間違いない。流石ポンジュノ監督、構成が上手い。
 ティルダ・スウィントンの、姉との確執とか家族経営における葛藤とかは、本作のテーマの本質とズレる気がするし、そのパートが単純に面白くなかったので要らなかった気がする。そこだけ少し残念。
〈演出・撮影〉19/25点
 社会派なテーマとは裏腹に、しっかりエンタメとして楽しめる演出がされていた。序盤と終盤の、オクジャを巡るチェイスはアクションとしてそれなりに楽しめたし、逆に屠殺工場のシーンは非常に恐ろしかった。オクジャのCGはやや浮いてたけど、表情が豊かで感情移入しやすい工夫がされていた
〈音楽〉7/10 点  
 ドタバタ感を煽るBGMが良かった
〈演技・キャスティング〉6/10 点 
 やたら豪華なキャスティングの割に、それぞれのポテンシャルを発揮しきれていなかった印象
〈印象〉8/10
 深いテーマを皮肉塗れで面白おかしく描きつつ、しっかりエンタメとして昇華しているのが素晴らしい。もっと凄い作品になれる可能性もあったと思う
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