オトマイム

ティエリー・トグルドーの憂鬱のオトマイムのレビュー・感想・評価

3.7
フランス映画だけど全然おしゃれじゃなくて、殺伐とした生活感が溢れ、世間の世知辛さが生々しく描かれている。そしてフランスの就職事情が垣間見られて興味深かった。

主演以外はプロの俳優ではなく、すべて素人を起用していることも驚きだった。でも演技がとても自然。そしてその効果なのか、ドキュメンタリーを見ているような臨場感が感じられた。

地味で大きな盛り上がりもない作品ではある。でも愛想のかけらもないティエリーが奥さんと社交ダンスの教室に通ったり、自宅で障がい者の息子を交えて親子3人で踊ったりするシーンは楽しそうで微笑ましく、ほんわかした気持ちに。ラストも希望がある。よかったです。