このレビューはネタバレを含みます
マット・デイモンプロデュースの本作。
父の船を売ることを強く拒んだパトリック。
自分の不注意で子供を死なせてしまったリー。
兄の死により後見人となったリーと兄の息子パトリック二人の生活は、特に何かがドラスティックに変わるわけではなく、ラストまで坦々と描かれる。
取り調べ後、無罪となり、警察の銃で自殺を図るリー。父の死後も遊び呆けていたが、冷凍庫の冷凍食品を見てパニック障害に陥るパトリック。
元妻との再会のシーンはリーにとってもこれ以上ないカタルシスだったであろう。女は苦しくも前に進み、留まり続けていたのは男だったという象徴のシーンでもある。
辛いことは辛い、悲しいことは悲しいと認めることが第一歩となる。
物悲しく、哀愁漂うマンチェスターの街並みは、本当は向き合いたくない現実生活そのものだった。