このレビューはネタバレを含みます
ジョー・チャンドラーが死んだ。
弟のリーは、ジョーの弁護士から息子パトリックの後見人になることをジョーが遺言していたことを知る。
序盤、リーはボストンでアパートの便利屋の仕事を続けているが、住民からは苦情ばかりでちょっとしたことで切れて自暴自棄になりいざこざを起こすなどちょっとヤバい奴として描かれているが、その原因が
数年前に自分の過失により子供3人を火事で亡くしたことにあると徐々にわかってくる。
一方、パトリックは、幼少期に飲んだくれの母と別れ父と二人暮らし。そして、今愛する父を亡くした。気丈にこれまで通りの生活を友達や彼女と過ごそうとするが、やはり心は不安定だ。
絶妙に過去と現在をシンクロさせながら、叔父と甥が昔や今の痛みや辛さを不器用にぶつけ合う脚本・演出が秀逸。
街で元妻ランディ役ミシェル・ウィリアムズとケイシー・アフレックがたまたま出会うシーンの演技は鳥肌モノ。
「あなたを地獄に落ちるほど罵った」「私の心も貴方の心も壊れたまま」
リーがパトリックに漏らした「(事故のことを)乗り越えらなれない」
重い過去を抱えながらもジョーの死や埋葬を通して少しづつ歩き出していく終わり方に希望に感じられた。
P.S なお、見終わって解説読むまでイギリスのマンチェスターの話だと思ってました。