Masataka

マンチェスター・バイ・ザ・シーのMasatakaのレビュー・感想・評価

3.8
深い悲しみを背負った叔父と甥が、アメリカの海辺の田舎町、マンチェスターで共同生活をする話(ちなみにアメリカにもマンチェスターという町はたくさんあるらしい)。
心の奥底にある深い絶望が、普段は平静に抑えているつもりであっても、不意に溢れ出てしまう、という様をよく描き出している。平坦で退屈でさえあるシーンが多いゆえに、その溢れ出る瞬間が際立った。何かが劇的に改善して全て丸く収まることなんて普通はなかなか起こらない。ひとつずつ、目の前のことを地道に乗り越えたり、乗り越えられなかったりすることが人生だと。罪や悲しみを背負ったまま、ハッピーエンドでもバッドエンドもなく生きている限り続いていく。
ケイシー・アフレックの演技は素晴らしくオスカーも納得。「ゴーンベイビーゴーン」でも良い感じだったけど、この映画では本当に素晴らしかった。
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