映画の主人公が「殺し屋」の場合、ジョン・ウィック、あるいはノーカントリーのシガーなどのように、どこか人間離れした技能や思想を持つ人物を想像するし、冒頭からモノローグで自分の哲学を語る本作の主人公もきっとそのような「殺し屋」だと思ってしまうのだが、普通に失敗も動揺もするしかなり人間らしい。殺し屋として優秀ではあるけど完璧ではない、ましてや超人的なスキルがあるわけでもない。しっかり準備して仕事にとりかかる。そういったところが魅力。
ストーリーにも大したアレはないし感情移入することさえあまりないのだが、最初から最後まで面白く観れる映画力は素晴らしい。さすがフィンチャー監督といったところ。
