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マンチェスター・バイ・ザ・シーのunuboreのレビュー・感想・評価

4.5
突然の兄の死をきっかけに故郷に戻りその街の人々を通じて過去の悲劇と向き合うが…

淡く切ない寒空に包まれた港町の景色が主人公リーの心情の様に灰色で空虚に映し出される。
この街をそこまで嫌がる理由は何故なのか、、現在と過去が交差して紐解かれていく主人公の内面に寄り添う様にひたすら見守る感覚。彼が導き出した答えの偽り無いセリフに強く胸が締め付けられるけどハッキリと言った事により区切りをつけれた安堵感も読み取れた。
リー以外の登場人物それぞれの立場にも共感できるし矛盾も全く感じないリアルで精緻なシナリオにも感嘆しました 甥の青春ラブコメ要素も挟んだりユーモアとのコントラストも緩急があって非常に良かった

それと個人的な事ですが自分にも兄や仲の良い甥が居たりトラウマを持つ場所があったりと主役のリーが他人事に思えない部分(暴力はしませんよ!)が多々あって感情移入し過ぎて鑑賞後しばらく呆然としてしまった… 甥っ子が高校生になったら一緒に観てみようと思ったり。 まぁ嫌がりそうだけど(笑)

本作はマットデイモンがプロデュースの主演ケイシーアフレック、心の再生を描くシナリオで脚本賞も受賞となれば自然とグッドウィルハンティングを想起して期待値も上がってましたがこちらも心にずっと残る大切な映画になりました
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