Angeprunelle

マンチェスター・バイ・ザ・シーのAngeprunelleのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

過去も現在も未来も境界はない。

生きてきた時間やあらゆる経験は
先を生きる自分自身の糧となり
そして自分自身の足枷にもなる。

いつからこんなに不器用になったんだろう
こんなはずじゃなかったのになって
自己嫌悪になって心が壊れてしまう人も
きっとそう珍しくはないと思う。
少なくとも私はその一人だ。

何も持たず裸一つで生まれてきたけど
あの身軽でまっさらな瞬間にはもう戻れない。

OPとEDの船のシーンでの②人の姿を重ねると
なんだか沁みちゃう。

歳も性格も心も距離感も
色々変わってしまったけれど
これからもきっと変わってゆくんだろうけど
それでもあの頃と同じ船に
②人並んで座っているのを見ると
変わってくものの中にある
変わらないなにかを確かに感じて
それをギュッと握りしめたくなった。
消えないように失わないように。

変わってくことばかりだからこそ
変わらないものってあまりにも美しい。
そして優しくて辛い。

「こんなもんだよな」って所に落ち着くラストは
やっぱり沁みる。

けど「こんなもんだよな」は意外と幸せなこと。
Angeprunelle

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