Tai

マンチェスター・バイ・ザ・シーのTaiのレビュー・感想・評価

3.7
リーが何をしたっていうの?

観終わった後、なかなか言葉が出てこない作品でした。
生きる上での不条理さがこれでもかと表現されています。
本当は軽く★4超える作品だと思うのですが、作品に幸福や成長、発展を望む私としては、この手のもにのはどうしても…
芥川賞系の小説を読んでいる時の辛さに似ているものがありました。
好きな人にはかなり好かれる作品なのではないでしょうか⁉︎

子供の頃は簡単に転んで、怪我して、泣いて、でもほんの数日で怪我なんて跡形も無くなって、怪我したことすら忘れていたりします。
対して大人はたまに派手に転ぶと擦り傷じゃ済まなかったりして、下手すると骨折とかして、怪我も治りずらかったりして…もちろん人によってですが、大人の方が上手く生きていけるよう成長したはずなのに心の重荷になることが多すぎて身動きが取りづらくなりますね。
そんなことは現実で痛い程わかっているから、作り物の中くらいは、そうでない世界、その先の世界が観たいものです。

彼の過去に何があって、現在の生活に繋がるのかを知った時のやり切れなさが悲痛すぎました。
こういった話が現実にあったりすると毎回思うのが「神さまっていないんだろうな。いても人を助けたりとかはないんだな」ということ。

かなりビターな内容でしたが、それでもラストまで興味を保って観ることができたのは、素晴らしい作品である証拠。
でもなー、もうちょっと、これ何とか……リーが何をしたっていうの⁇
Tai

Tai