寒色を基調とした冷たく美しいマンチェスターバイザシーの冬の風景と、抑制された味わい深い(でもちょっと風変わりな)静かな演出が沁みる… 冒頭の水面を走る映像からして名作の予感
例えば終盤のキャッチボールみたいなやり取りのシーンであったり、それ以上やったらセンチメンタルになり過ぎるぞってラインをギリギリ越えて来ないのが凄くいい。劇伴も過度に扇情的にならなず上品。突然前触れも無く断続的に挿入される過去のシーンは観客が徐々に主人公のバックグラウンドと内面を理解出来る仕組みになっていて非常に巧み。鑑賞２周目になると、より深く理解が進み心に染み入る
ケイシー・アフレックは初めて観たけど良いですね。そしてミシェル・ウィリアムズが素晴らしい。甥っ子のパトリックも兄貴のジョーも友人のジョージも、俳優陣は押し並べて良い。
流石にここまで過酷じゃないけど主人公と自分が重なって見える部分はあって、決して上手くは行かない人生を黙って見守る様な暖かい眼差しに少し救われる気持ちになる。
