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マンチェスター・バイ・ザ・シーのsnatchのレビュー・感想・評価

4.5
丁寧に丁寧に作られた作品だと思う。冬のマンチェスターという街を背景に、ある人間の姿を137分間使ってじっくりと描写している。余韻がまだ残る🌊
リーは本当に普通の人であり、その過ちは彼以外の人でもあり得ないことではなく、しかしその代償はあまりにも大きく、そして法は自分を罰してはくれない。
そのリーの一生背負っていく重い悲しみと苦しみ、また人を傷つけてしまうことへの怖れ、そして、でも消えていない彼の持つ優しさ、それを知っている人たちの描写が細やかで、私も本当に心を動かされました🎬
一回目に見た時は、この男は何なんだ?と思いながら見て真実を知り、途方もない悲しみに縛られてしまった人生の重さを一緒に背負い込む。二回目にそれを知った上で見たら、涙ばかりが出てきました。場面の端々に隠れている相手をいたわる愛が観ている方の心にも蓄積されてくる。
16歳の子供っぽさと本当は不安でパンパンのパトリックとリーの二人の関係も、監督が脚本を書いているそうで、嘘がなく自然でとても良かった🎣最後の方で木々が芽吹いている春がやってくる窓からの景色を見て少しほっとした。
ユーモアもあちらこちらに👍😃
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