なー

マンチェスター・バイ・ザ・シーのなーのレビュー・感想・評価

4.5
静かで美しい作品
"間"をしっかりとりつつ決してダレない細かく計算された演出

小さな港町での兄の死をキッカケに重い過去を背負った弟と兄の息子を中心に起こる変化が描かれている
頼れる大切な人を失うと当たり前だった日常の流れが淀み、ぎこちなくなってしまう
でもお腹は空くし学校にも行くしバンド練習はあるしガールフレンドとセックスはしたい
誰かを失うのは悲しいだけではなく僕らには止まることのない時間があるのだ

リーの抱える孤独と罪の意識が溶けることはこの先もずっとないのかもしれない
少しでも救いや温かさをもたらしてくれそうなものを拒絶し続けた彼の心に一つだけ明かりが灯るようになったことが観ている者に小さな救いをもたらしてくれた
なー

なー