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ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツのhosejackのレビュー・感想・評価

4.0
【ややネタバレ】
誰にも肩入れしないフラットな作りに思えて好みだった。
販売営業マンから世界一の会社の社長になるレイクロックの人間性は、実は最初から最後まで変わっていないと思う。一貫して盲目的なまでに実現欲が強い男であり続ける。
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それ故に、見方によっては妻や創設者のマクドナルド兄弟を裏切る冷徹な男に変わるように見せるが、マクドナルドの発展に対してはどこまでもポジティブで活力に溢れている。全てを手に入れた物語終盤においても、献身的であり続けたのにあっさりと離婚した妻やマクドナルド兄弟を想って少し後悔する回想シーンなどはなく、全てを奪った相手に対して「システムを真似するのではなく、マクドナルドが欲しかったんだ」なんて笑顔で言い放つ男なのだ。ゴールデンアーチを初めて見たあの時の目の輝きは、最後の最後まで残っている。まさにレイクロックのマクドナルド「I'm lovin' it!」映画。
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この盲目さこそが帝国マクドナルドがここまで広がった理由なんだと実感させられるし、その姿も不思議と嫌味がなく清々しさすら感じた。
50代から一発逆転したアメリカを象徴するアメリカン・ドリームの体現者のサクセスストーリーと見るか、資本主義に魂を売った悪魔と見るのかはその人次第。少なくてもそこを観客に委ねられるフェアさがある映画に思えた。
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