てぃらみす

ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命のてぃらみすのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

可もなく不可もなく、よくできた実話ベースの映画でした。あと個人的には良かったところと「ん?」ってところがはっきりした映画でもあったかな…

以下良かったところ。
まず動物たちの「演技」が素晴らしかった。最初は「CG???」って思ったくらい演技が上手かったです。赤ちゃんゾウとかはさすがにCGというか、よくできたロボットとかな気がするけど…。恐らく動物のトレーナーさんがとても優秀なんだろうな…
だからこそ動物園の爆撃シーンや、動物たちが園外に逃げ出さないよう射殺するシーンは心が痛かったです。

あとは役者陣が大人も子供もみんな良かったです。
ジェシカ・チャステインは本当にどんな役を演じても様になりますね…!役を自分のものにしてるなーと思います。
つい数ヶ月前に公開された「女神の見えざる手」では、あんなにクールな女性だったのに、今回は母性愛に満ちた天使のような女性で、その振れ幅の広さに改めて驚きました。

アントニーナの旦那さん、ヤン役の俳優さんも見たことのない方でしたが素晴らしかったです。正直見た目があまりパッとしないんですが(超失礼←)、アントニーナ同様、人間にも動物にも優しい、とても愛に溢れた人柄の表現が上手かったです。

そしてヘック役のダニエル・ブリュール!!「ラッシュ プライドと友情」で初めて見てから、何だかんだで出演作を見てる気がします。
彼は悪役を演じていても、最後の最後で人間味が溢れてしまうイメージがあります。
今回も最後にアントニーナの息子を射殺…するフリをしたり、アントニーナたちがユダヤ人を逃していたことも、本来なら死刑に処すべきところを最終的には全て見なかったことにしていました。
息子を射殺するフリをして、一瞬でもアントニーナを生き地獄に落としたのは、彼女が自分に色目を使って情報を引き出そうとしたことや、多くのユダヤ人を逃したことを引っくるめて与えた彼なりの罰だったのでしょうか…

さて以下はイマイチだったところです。
まずは途中やたら端折りすぎな件。
特にビビったのは、いきなり妊婦になって30秒後に出産してたアントニーナ。笑
まぁ…確かに「伏線」となるシーンはあったけどさ…(←おい)
特に後半は物語がいきなりスピードアップして進んでた印象でした。もう少し丁寧に進めてほしかったなぁ…。

あと捕虜になった旦那の情報を探るため、アントニーナがヘックに会うシーン。
完全に誘惑する体で乗り込んだアントニーナでしたが、惚れた女にあんなことされたらそりゃ怒りますよ…
あれはきっと映画用のエピソードだと思いますが、敵国の、しかも自分に惚れてる男にあんなことをしたら、自分たちの身に危険が迫るかもって分かるでしょ…ってことで、このシーンはアントニーナの行動がイマイチ腑に落ちませんでした。

でも概ね良い映画でした!
戦争中であってもこういう勇気ある人たちはいたんだなぁ…
てぃらみす

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