蛇らい

菊とギロチンの蛇らいのレビュー・感想・評価

菊とギロチン(2016年製作の映画)
4.0
上映時間が三時間以上あるうえ、重厚な内容なので、気持ちと体力に余裕があるときに見てほしい。

想像以上の青春群像劇だった。閉塞感に溢れ、徐々に戦争へ向かおうとする日本の若者たちの正に、「生きる様」が焼き付いて離れない。未熟でも本能的に強くなろうとする姿が人間臭く、観ていて血がたぎる思いだった。

画面に映し出される役者、ロケーション、美術、カメラワークどこをとってもかっこいい。安っぽさが皆無。終始、ギラギラとした質感が途切れず、映像に力強さがある。

女相撲とアナーキスト集団。世間からすれば、マイノリティど真ん中の双方が、いつの間にかシンクロし始め、もがき、苦しみ、一喜一憂する姿に、映画が秘めた力を感じずにはいられない一本。
蛇らい

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