上旬

菊とギロチンの上旬のレビュー・感想・評価

菊とギロチン(2016年製作の映画)
4.2
これは素直に傑作なんじゃないか。アナーキスト達、また女相撲の力士たちや興業主、勧進元などに至るまでちゃんと人間として描けているのが素晴らしい。

凄まじいエネルギーでありつつ、「こうでしか生きられなかった」人々の悲哀というか、やるせなさを随所に散りばめることで一筋縄ではいかないようになっている。

まずよくこんなテーマで作れたなって思うし、女相撲という存在を知ることかできただけでもよかった。

しかしこの作品をよくしている最大の要因はプロダクションデザイン、美術、衣装、色彩設計というビジュアル面だと思う。当時の風俗をリアルに写し取りつつ、どこか白みがかった画面がそこはかとないレトロ感を醸し出す。戦後日本のどこか色褪せた感じがとてもよくでていた。

思想がどうこうではなく、それぞれの生きざまの救いのなさが胸に染みる。