このレビューはネタバレを含みます
こんな悲惨な場所があってもいいのかっていうくらいやるせなさに苛まれる話。何も与えられず、孤独で冷たく、司法すらも届かない土地で、奪うことしか出来なかった男たち。この中で真っ当に生きるには強くなるしかない。そんな極限状態で生きている人達の環境は計り知れない。犯罪はもちろん許されないが、彼らもまた、歴史と土地の被害者かもしれない。主人公の最後の一言がそれを全て体現していた。絶対に日本じゃ理解できないような感覚になってしまっているゴロツキと、悲しみと戦いながらもこの土地で必死に自分と戦っている主人公たちの対比もあるが、共感し合っている感じがすごく印象的だった。