なちゅん

ウインド・リバーのなちゅんのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
3.8
クライムサスペンスというラベルだけでは語れないストーリーだし、人種差別問題というのともまた違う気がするし、性差別なのかと言われたらそんな気もするけどそれだけじゃ足りないように思う。
今もこんな差別があるなんて、と言うのは違う。差別が過去のものだったことなんて一度もない。それを差別であると、不当であると言える環境が少しずつできてきただけのこと。

アメリカは国が持つ血塗られたありとあらゆる類の差別の歴史とそれが拭われないことに対して、ものすごく何も考えていないイメージがある。そうじゃない人がいることも分かってるし、差別してきた人と同時にされてきた人もいるわけだから、一括りでは言えないし、当然アメリカに限った話でもないんだけど、差別という問題を議題とした時に、自分たちがしてきたこととしていることを常に棚に上げている気がする。
アメリカの歴史は差別の歴史だと思うし、国としての歴史は浅くてもその考え方は入植者のそれだからつまりそれは入植者の歴史。入植者ということは、場所を変えれば日本もそう。

何事も人から奪っていい理由なんてない。
なちゅん

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