ちゃりお

ウインド・リバーのちゃりおのネタバレレビュー・内容・結末

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

孤独、別離、荒廃、不毛、極寒

静かなウインドリバーという地には哀しさだけが低く長く響き渡るように僕の目には映った。

主人公は人間の強さを固く信じている。「他に道はあったはずだ」と諭す。本当にそうなのか僕には分からなかった。それはあなたが強くあれただけじゃないのか。

この作品は人間賛歌とも取れる一方で、自然に呑まれる人間の愚かさの晒し上げとも言える。

本当の悪人などいたのか。想像力、判断力、理性が欠如していたのは本当に当人だけの責任だったのか。

そういったことを考えずに「スカッとする復讐モノ」とこの作品を並べて考えるのは安易であるし、そういう考えこそ環境に流されて正常な判断ができない危うさ、そのものである。

しかし、どこまでもかなしい映画だった。誰も悪くないとは言わない、誰もがみんなどこか悪かったのだ。