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団鬼六 蛇と鞭のbluetokyoのレビュー・感想・評価

団鬼六 蛇と鞭(1986年製作の映画)
2.5
リアルタイムでは見なかったなあ。真咲乱さんの胸が大き過ぎて見なかったのだ。そういう売込みだったけど、それほど、この映画は、胸を強調して映しているわけでもなかったようだ。
エロい映画だ。それまでの日活ロマンポルノ、ただ、裸さえ撮ってあれば、なんでも好きに作ってもよかったので、エロさはないのだが、このころの日活は本当にエロい。
真咲乱演じる倫子は高見沢社長に見出され社長秘書に抜擢される。それまでの秘書、圭子は営業部へ。家に帰ると弟の俊介がなぜか料理を作って待っている。俊介は姉の倫子が風呂に入っているとオナニーをしている。秘書の最初の仕事は受付に来た総会屋の佐伯を追っ払うことであった。実は高見沢社長と佐伯はグルだったのだが。
一方、クラブのママ、亜紀子と総会屋、佐伯は、店の権利だかを欲しいと相談、では、高見沢社長にカネを出させようと結託。そのためには、高見沢社長になにかエサを与えなければならない。それが、倫子だったのだ。
亜紀子が俊介を誘い、ベッドに引っ張り込む。佐伯が、オレの女に手を出しやがって、落とし前付けろや、となり、倫子が呼ばれ、俊介の身代わりとなって、いいようにされるのだった。そこに高見沢社長も加わり、最後には、倫子は高見沢社長のものになる。
と思ったら、俊介がナイフで高見沢社長を刺し、倫子と俊介は逃亡する。やっと終わりかと思ったら、そうではない。海岸まで行き、倫子を十字架に縛り付けると、俊介は鞭で姉を打ち据え始める。そこで終わりである。
謎な展開&終わりかと思うが、実はそうでもない。原作が団鬼六なので、そこに至る筋道はちゃんと整ってあるのだ。原作は読んでいないが。
まずは倫子である。彼女は、高見沢社長が母親に振られたことを知っているのだ。また、母親に似ているということも。そういうプライドを持っているので、処女ではないが恋人はまったくいない。いてもすぐに振ってしまっているに違いない。
俊介であるが、そんな姉が風呂に入っているときに、オナニーをしている。もちろん、倫子は俊介がオナニーをしていることを知っている。知っているどころか、そう仕向けている。だから、俊介にも恋人はいない。
俊介が高見沢社長を刺したのは、助けるためではなく、嫉妬からだろう。だから、倫子を鞭打つのだ。倫子が鞭打たれるのは、意に反して、高見沢社長のものになってしまったからだろう。
団鬼六の世界観、関係性が完成したわけだ。
エロいのは、演技の時間を取れたからなのだろうか。真咲乱さんはプライドの高い女性をうまく演じている。秘書の座を追われた圭の黒木玲奈さん、クラブママの志麻いづみさんも魅力的だ。
姉弟の話ではなく、企業内の話にした方がよかったのかも、と思う。
エロさを求めるのか、団鬼六世界観を求めるのか、普通の映画を求めるのか、点は迷う。やや、話の展開が安直なので点は低くしてある。
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