丹羽桃李

帝一の國の丹羽桃李のネタバレレビュー・内容・結末

帝一の國(2017年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

正直途中まで、『原作漫画の実写映画化』って感じでしかなかった。エピソードを切り貼りして繋げただけ!って感じだった。

エピソードのカットは基本気にならないけど、駒の裏切りまでの苦悩。弾と美美子がお互い惹かれあってく様子、それを見てキレる帝一の人間的な未熟な面や弾と仲良くなればなるほど自分の首を締めることになる帝一とか、もっと描いてあげて欲しかったシーンはたくさんあった。

ただ、原作とは流れが変わるシーンから印象がガラッと変わった!!弾が選挙中に話した『みんな何かに悩み、戦っている。』というのが印象深かった。
あそこにいるのは選挙という名の戦争をしている、『男子高校生』なんだというのがひしひしと伝わった。
シリアスな笑いを求めて見に行った映画だったけど気づいたら謎の涙が浮かんでいた。笑



最後のピアノシーンが痺れた。
冒頭から、帝一の弾いている曲がマリオネットなのは気づいていたけど、それがいい演出だった。

前半は父親のあやつり人形だった帝一が、ピアノに頭をぶつけてから覚悟を決めて、ピアノを封印した瞬間から帝一は父親のあやつり人形ではなくなっていた。

中盤は氷室のあやつり人形になっていた帝一だが、主人をかえて森園のあやつり人形になって、無事に会長へと押し上げた。

そして終盤。
菊間『この曲はなんていうんだ?』
光明『帝一の好きな曲だよ。』
弾『あやつり人形か』




帝一『ーーー君たちのことだよ…。』

ゾクッとした。この一瞬のための映画だとすら思った。全ては帝一の掌の上。帝一の國は確実にその姿を見せはじめていた。



そんなことを考えながらEDに浸ろうとしてたけど、芽衣ちゃんのダンスが可愛すぎて他のことがどうでもよくなった。
芽郁ちゃんかわいいよ芽郁ちゃん…!!
丹羽桃李

丹羽桃李