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ビルマの竪琴 総集編のmitakosamaのレビュー・感想・評価

ビルマの竪琴 総集編(1956年製作の映画)
3.7
スカパーにて。世代的にはの85年のリメイク板の印象が強いが、当然こっちが先に作られてる。
元々は二部作の映画だったらしいがコレは総集編とのこと。

後にリメイクしただけあって監督自身も思い入れがあるんだろうなぁ。
戦争という極限状態で人の気持ちを忘れなかった軍隊の物語。

水島に安井昌二。井上隊長に三國連太郎。
隊長の井上が良く出来た人で、音楽教師だった経験を活かし部隊に合唱を教え込んでいる。何かと言えば隊員が良い声で歌うのでトラブルが起きないという理想的なホワイト部隊。
旧日本軍の描写って、常に部隊長が威張り散らす理不尽な暴力が渦巻く世界に描かれがちだから、とっても新鮮。
全体的にあり得ない程、理不尽さがない軍事描写なので、ある意味とても見やすい。正直上官のビンタの痛々しい戦争映画って見るの辛いんだよね〜。

優しい上官の元で、竪琴を学んだ水島だが、終戦の知らせの為に別部隊に行き、一人生き延びる。
現地の坊さんの袈裟を盗み歩いて部隊に戻ろうとする中、イギリス人が日本兵を葬っているのを見て泣く。ビルマに散った同胞を弔うため、水島は1人残ることを決意する。

「水島!一緒に日本へ帰ろう!」はこの年になって見ると更に泣ける。
水島だって生まれ育った祖国に帰りたかっただろうに。それを自分の意思で諦める。辛い決断をしたなぁ。
これを「home sweet home/埴生の宿」を隊のみんなと歌って、別れる。
うう。涙、涙。
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