マ

淵に立つのマのレビュー・感想・評価

淵に立つ(2016年製作の映画)
4.5
自分の罪にも他人に対しても向き合っていない父親 形骸的な家父長制(のような何か)以外にまともな繋がりを持っていなかった家族が、浅野忠信の一撃で、古舘寛治が言うように ようやく家族になる... という展開すら見せかけで、実は最後の最後まで ちょっと手遅れくらいのタイミングで父が自分の問題に向き合うまで 家族は再生してなかった。ラストの古舘寛治の立ち位置や構図は恐らく "その時"の浅野忠信と重なる。

色の演出は露骨だけど、ギリギリの上品さを保ってて凄い。徹底的に浅野忠信をイメージさせる後半の演出。深田晃司監督は 家族というまとまりに疑問を抱いてるからこそ、映画の中で ある意味イジワルに、ちょっとやり過ぎなくらいに"家族"をつついて揺らすのか。映るものは映画的な跳躍をしながらも、普遍的な地獄。
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