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淵に立つのjoysmilesのレビュー・感想・評価

淵に立つ(2016年製作の映画)
2.0
残念ながら個人的にヒットするものが、殆どなかった作品でした。カメラワークなどの演出全体的に、かなり恣意的なもの(あざとさ)を感じてしまい、如何にも「映画」を観ている感が払拭されず。この構図を意図があるだろうな、という方が気にかかってしまい物語には没入できませんでした。ですので、描かれている心の機微にも恣意性を感じてしまわざるを得ませんでした。

極めて自然に受け取れて恣意を感じさせないながら、緻密に計算された演出が好きなので…。そういう点で見ると、恣意的なものに映画らしさを感じる方にはおすすめかもしれません。

しかしながら、浅野忠信の怪演っぷりには衝撃を受けました。例えば、謂わゆる日本映画独特の「語り」(状況や過去の経緯を役者が丁寧に語ってしまう、というもの)は、往往にして私は苦手なのですが…浅野忠信のそのシーンは、気付いたら完全に引き込まれてしまっていました。このような感覚は、他の役者さんでは感じたことがなく、ここまで来るともはや魔力なのか!?とすら感じてしまうほど。彼がスクリーンに居るだけで、空気が変わってしまう凄さを体感しました。
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