あぺ

淵に立つのあぺのレビュー・感想・評価

淵に立つ(2016年製作の映画)
4.1
最近ミッドナイトスワンでも疑問に思ったのだけど(少女が1人で教室で練習するシーン)昼の一般家庭の照明があんなに暗いってことはあるのだろうか?確かに不穏な空気を演出することには成功しているが、やりたい演出(絶妙な光度のエモいショット)が先行しているのではと懐疑心が離れなかった。これが外連味というものなのか。照明の光の温度一つ一つにも物語の文脈上の理由が欲しいと思うが、そこを読み取れなかっただけかもしれない。それこそ半沢直樹の暗がりの部屋のライティングは文脈上バッチリだと感じた。黒沢清の「トウキョウソナタ」の光度には違和感を感じなかったのに本作の違和感はすごかったな。

ただそんなこんなでも、やっぱりショットで物語る映画だったので、1秒も退屈しなかったし、筒井真理子が浅野忠信と歩いた道を8年後に逆走するショットは素晴らしかった。
あぺ

あぺ