「ケイコ目を澄ませて」は全く良いとは思えなかったけど、本作はちゃんとフィルム撮影であることの意義がしっかりと感じられた。やっぱフィルムの醍醐味といえば斜めがかった夕陽。町工場の事務室というロケーションが途轍もない相乗効果を生み出している。自分も工場の事務室で働いているからわかるけど、あの壁やデスクのチープな質感と夕陽の相性は抜群なんだよなあ。
それにしてもやっぱり原作がしっかりしているからか、最後まで安心してみれる。正直、三宅唱は原作によって作品の出来がブレる人、というかそんな面白い脚色ができる人ではないと思ってるので、これからもちゃんとした原作物を撮っていって欲しいな。