竜平

ガール・オン・ザ・トレインの竜平のレビュー・感想・評価

4.1
電車の中からとある家に住む男女を眺めては日々妄想に耽る女性と、その家の女性と、その家の隣人の女性。ひょんなことから交わっていく三人とその取巻きが織り成すサスペンス映画。

静かにじっくりと内面をエグられるような内容に仕上がってる気がする。エミリー・ブラント、ヘイリー・ベネット、レベッカ・ファーガソンという美女集結の図はなんとも華があってまずそれだけでも見入ってしまう、ってのはまぁ置いとくとして。初っ端から主人公自身がなんかちょっと危ういというか、アル中で何やら過去の出来事からくる悲しみや怒りに満ちてる、そんなうらぶれた女性というのをエミリー・ブラントが熱演及び怪演してる。様々な視点から回想を挟みつつ、記憶の断片か、はたまた記憶違いか何なのかってなシーンの数々と、更に不可解だったり意味ありげだったりのカットも断片的に映る。そんな感じで序盤はとにかく布石、謎を散りばめることに徹してる印象、なもんでここはちょい辛抱して見ていてほしいところ。で話が進むにつれて浮かび上がってくるのがそれぞれの人物像や、不倫など男女間のドロドロした人間模様。登場人物たちの良からぬ部分が見えてきてから二転三転していくストーリー、これに目が釘付けになるはず。なんというか第一印象や思い込みで判断しがちな人間の性質ってのを上手く利用した展開だなと思う。疑惑が疑惑を呼んで、見ているこっちまで疑心暗鬼。結末がどうこうってのももちろんあるんだけどそれだけではなく、徐々に判明していく事の真相やそこに行き着くまでの過程が非常にスリリングで刺激的で、何度も何度も意表を突かれる。時折エロティックだから、もう尚更。女性って恐いなー、からの、マジかー、みたいな。あまり内容に触れるとネタバレしそうだからこのへんでやめとくけども、パズルのように完成していく構成が本当に良き。あとヘイリー・ベネットがエんロい。

酒飲んで記憶を飛ばしたことがある人なら共感できるとこも多いかも、なんて。飲みすぎて昨夜のことを1ミリほどしか覚えてない、みたいな経験が(わりとしょっちゅう)ある自分からしたらそこらへんの物語の絡め方もかなりリアルで引き込まれたし、とりあえず今後マジ気をつけようってなった次第(汗)。いやしかし出てる女優がみんな美人ってだけでなく、ミステリーやヒューマンドラマといったジャンルの入れ方、混ざり具合などからも個人的には結構好きな一本。いややっぱりみんな美人ってのがでかいかも。とりあえずオススメ。
竜平

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