Col

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめのColのレビュー・感想・評価

4.0
控えめに言ってもソフィアコッポラ贔屓です。良かったです。冒頭のエイミーが森の中左右対称な森の道からのタイトルシーンで既に期待があがりまくり。次のCGで作った様な茂みのカットも何て素晴らしいことでしょう、残念ながらDVD鑑賞であり、映画館で見たかった後悔から始まる冒頭5分間。南北戦争時代に敵軍の脱走兵を匿う女学院の先生、生徒の話なのだが設定は違えどいつものソフィア流”囲い拗らせ女子観察記“の始まりである。代表作『ヴァージンスーサイズ』に始まり『マリーアントアネット』然り、異国の意味不明な文化に囲まれると言う意味でも『ロストトランスレーション』も閉鎖された女性の心理描写という点はいつもの題材。今までと違うところは主人公は1人ではなく複数にいるところ。前作は主人公の描写をピックアップし女流監督ならではの柔らかな視点で描かれた作品群と比べ、今回は主要のメンバー3人の女性+子供達。そして迷えるイケメン脱走兵(コリン・ファレル)が加わりそれは何と恐ろしい描写になるでことしょう。主役が3人になるに当たっても女性らしさを、女性独特の視点で表現する描写は変わらず。あくまでさりげなく、それでいて意味深げな表現は常に観る側をドキドキさせる。また今旬の女優を採用することに長けているソフィア監督はエルファニングを起用。前作『SOMEWHERE』で子供役として既にでているのは当初気づきはしなかったが、今思うと恐ろしい女優を見るセンス。新作はソフィアが撮るエルファニング主演作品を見たいものだ。この上ない魅力的なキャスト陣、薄暗い中灯る燭台、華美な装飾やドレスたちと耽美的な映像質感に酔いしれさせていただきながら、戦慄のラストカット。

まじ震えます、いろんな意味で・・・
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