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ありふれた教室のColのレビュー・感想・評価

ありふれた教室(2023年製作の映画)
4.2

この問題解決には、金八先生5人は投入必要だな。

この話、すでに今起こっているマイノリティ問題・人種問題・組織化の確執・情報の氾濫とすでにどのような事件であれ、人1人が計りし得ない問題のキャパオーバーであり、その環境の中育っていく子供たちの未来に過呼吸してしまいそうな今後の人類への警鐘のようにも感じるジャーナリズムに富んだ作品で、観た後の余韻は非常に思考の迷路ともなったが高尚な気分に浸れた。

まずは学園ものとして見に行った矢先、問題の発端が職員同士のというのが素晴らしい。そのトラブルの影響が子供だちへと流れる作りが裏切りの構成として最上級。切り口自体が斬新すぎて学園が設定であるだけで一般社会の出来事をメタファーであると思った。さらにいえば逆に学園を設定することでより際立った問題定義であり、問題の多重構造化に成功しているのが上質なストーリー。

もうこれって学級崩壊、というか学校崩壊じゃないですか。ここまで問題がどう対処されるか気になる後半戦と思いきやあのラスト。見る人によっては憤慨ものレベルの賛否両論のラストではあったが、ちょっと自分はほっとしたかも。真実と解決が本題ではないなと思ってたとこだったので。

ルービックキューブを全面揃えるくらいのクレバーなストーリー構成と切れ味。
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