Torichock

ロスト・バケーションのTorichockのレビュー・感想・評価

ロスト・バケーション(2016年製作の映画)
4.0
「THE SHALLOWS/ロスト・バケーション」

ヒャッハーーー!!
夏だ、海だ、ビキニだ、サメと美女のお尻映画だよ☆

男の子も男もオトコも漢も、女子ウケ狙って「ファインディング・ドリー」とか行ってないで、ホホジロザメ「ロスト・バケーション」観に行こうぜ!
(「ファインディング・ドリー」、感動したなぁ〜)

空飛んだり、首が3つになったり、砂の中泳いだり、そんなB級C級のサメさん映画ではしゃげないオトナの僕にとって、サメさんもまた貞子や伽倻子のような、一周回って可愛いらしい動物になりさがってました。
なんなら普段から、シャークアタックしかけたいとか、USJのメインは「ジョーズ」だ!とか、死ぬなら車に轢かれたりするよりサメさんに食い殺されるのがベスト!とか謳ってるようになってしまい、僕にとって、サメさんは畏怖の存在でなくなってきたのです。

が、

"サメさん映画はこうでねぇと!!"

でも宣言するような、普通のサメさんがガチで怖いサメさん映画がやってきたのです。

予告から伝わる僕の求めてきたサメさんの匂いを、サメさんばりに鼻を効かせた僕は、もちろん「ジョーズ」のTシャツを着て、

"イモータン・ジョーズ様"

への敬意を表するコーディネートで、二子玉川へ鑑賞しにいきました。もぎりで笑われましたよ、ええ。

僕のコーディネートに対して、スクリーンに映るブレイク・ライブリーのコーディネートは小さいビキニパンツがサイコー!
有名なテレビドラマは観てないので知りませんが、「ザ・タウン」とか「野蛮なやつら」を観てるこっちとしては、見せない(決してヌードにはならへんで)ビッチ役がとても似合う女優さんという印象。
美人だし、すごくキレイだけど、なんとなく安っぽさもあっていい!みたいな。いやいや、褒めてますからね。
ビーチで着替えるように下に水着を着てきてるけど、短パン脱いだら半ケツじゃねぇか、そのビキニ!
しかも、沖に向かって泳いでいくパドリングのカット割りとか、完全にコレット=セラは尻フェチ、あいつ。さすが、スペイン人。
ググって顔見たらすけべな顔してるんだ、これがまた。
ちなみにウエットスーツをキュッとあげて、谷間まで作るサービス精神。

エロ目線ではなく、こういう性的に瑞々しいシーンが入ってることって、後々にどんどん汚れ枯れていくことへの差別化としても効果的ですよね。
イモータン・ジョーズ様だって、置き引きするようなデブなんか本当は食べてくなかったはず。とは言え、最初から、「グリーン・ランタン」の嫁を喰おうなんて、そんな虫のいい話はないですよ、イモータン。

さて。コレット=セラ監督作品は、「エスター」以降皆勤賞の僕ですが、監督お得意のスローモーションを駆使した外連味濃いめのサーフィンシーンが、めちゃカッコよくて、サーフィンってやっぱかっこいいなぁとかケラケラと笑いながら観ていた僕。が、イモータン・ジョーズ様の登場以降は、ガクブル。

特に、ナンシーが不時着しているのを発見して岩場に向かってくるメキシコ人の、一人目の捕食の仕方とかマジで怖くて、ドッカンドッカン!椅子から飛び上がりました。

そもそも、最初にイモータン・ジョーズ様を登場させるまでの積み上げ方がよかった。
非常に分かりやすい来るぞ来るぞ感で煽りまくって、イルカで鑑賞者の緊張感を一気に和らげた後のクジラの死体。
最も美しい光景からの、目を背けたくなる残酷な現実...震えましたね。

最初の捕食が、人間ではない!というところが肝だと僕は思ったのです。
人間なら、自分なら...という考えがまずよぎる。だけど、クジラという自分よりも圧倒的に大きな存在が、無残に死んでいる残酷さは、この先に起こることの示唆としては、あまりにも自分の想像を超えていて、なす術がない恐怖感を植えつけていると思います。
しかも、発見の道具に留めずに、最後まで死体を上手く使う。
食べ残しは許しません!油もしっかり使い切るのです。

また「ゼロ・グラビティ」を意識して作られたらしく、特に音の表現がすごく効果的。
潜るたびに無音になる表現方法は、自分のテリトリーから外れるという無意識を植え付ける、エッセンスだと思います。
僕、急に目の前が真っ暗になるよりも、音が全て消えた方が怖いと思うんですよね。

とにもかくにも「野火」を観た時のような、早くこの恐怖から解放してくれ!という、心のバクバクが止まなかった。

ブラのカップじゃねぇんだから、サメだからBとかCとか言ってないで、現実的極上モンスターパニック映画として、イモータン・ジョーズ様を称え、ヴァルハラへ向かいましょう。

今年の夏休み映画は「ロスト・バケーション」で!
Torichock

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