きえ

アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲のきえのレビュー・感想・評価

4.0
恋愛映画の名作『男と女』のクロード・ルルシュ監督とフランシス・レイの音楽が再びタッグを組んだ大人の恋愛映画と言う触れ込みで観に行った。

最初に言っておくとスコアはおまけのおまけ超贔屓得点です(笑) 何故ならアントワーヌを演じたオスカー俳優ジャン・デュジャルダンがめちゃくちゃタイプだからwww あの笑顔を見れるだけで本当は5.0(爆)

物語はインドを舞台に互いにパートナーがいる男女の出会いから恋への発展を描いていて女性にとってはいわゆる不倫。
私は不倫肯定派ではないけれど、人が人を好きになる気持ちは立場がどうあれ湧き上がるのが普通に人間の感情だと思ってる派。問題はそっから先ですけどwww

事実婚の多い”男と女”の国フランスの大人の恋の事情は、日本のそれとは捉え方が違うと思う。本作を観て単なる不倫ものじゃんって思う人は少なくないかもしれないけど、家庭は家庭、恋は恋と並行維持しようとする日本のゲス態勢とは違うと言う意味で、私は美しくアンナとアントワーヌの大人の恋に映画として酔う事が出来た。

冒頭でジャン・デュジャルダンを褒めちぎったけど、アンナを演じたエルザ・ジルベルスタインも超魅力的なのです。同じ女として素敵な年の取り方ってこう言う感じって思う。とにかく笑顔がとても素敵な女優さん。キャスティングは文句なしの5.0。

この2人とにかくよく喋るwww
スピリチュアルに目覚めた女と自由を愛する男と言う一見合いそうもない二人だけど、会ったその日から弾む会話の出来る相性ってある。大人ならではの機知に富んだ会話は飽きる事がなかった。とは言え時々長いなぁと思う箇所はあったけどwww

そして時に無邪気な子供のように無防備な言葉を吐くアンナ。
『好きになってしまった…』
恋の始まりは結局シンプルで、恋の終わりは結局後悔を持たない事。これが大人の恋かもしれない。

インドの雄大な景色、ガンジス川の流れ、密度の濃い命のエネルギー、神秘性… その中で余分な物がどんどん浄化され残ったのが本当の気持ちなのだろう。

この作品に関してはストーリーがどうとかもうそんなのはどうでもいい。老いてなお男と女に拘り続けるクロード監督に拍手なのだ。そしてフランシス・レイの美しく豊かな音楽も健在。

ちょうど10月15日から恵比寿ガーデンシネマで『男と女』の初公開から50年を記念したデジタルリマスター上映が始まる。50年経っても色褪せない映像は本当に素晴らしいし、いつ見ても物語に共感出来るのは男と女が普遍的なテーマだからだろう。スクリーンでの鑑賞が本当に楽しみ。

最後に不満を言うと邦題の付け方。
ダサすぎる!長すぎる!
一方原題『UN+UNE』はこれ以上ないお洒落さ。男性名詞UNと女性名詞UNEで”男と女”。ブレてない!タイトル5.0!
きえ

きえ