一人旅

丘の一人旅のレビュー・感想・評価

(1965年製作の映画)
4.0
シドニー・ルメット監督作。

イギリスの脚本家:レイ・リグビーが英国軍刑務所における自身の実体験を基にR・S・アレンと共作した1965年の同名戯曲を、社会派の巨匠:シドニー・ルメットが映画化した戦時サスペンスで、撮影時35歳のショーン・コネリーが体制に抵抗する囚人兵を演じます。

第二次世界大戦下の北アフリカにある英国陸軍刑務所を舞台に、ショーン・コネリー扮するロバーツら5人の囚人兵が、刑務所の実権を握る特務曹長:ウィルソンとその部下による圧政に反旗を翻していく姿を描いた戦時サスペンスです。

灼熱の中、曹長の絶対的権力を象徴する人工の丘を何度も往復させられる等、訓練という名の過酷な“しごき”に心身共に限界を迎えていく囚人たちが旧態依然な刑務所の体制に抵抗と糾弾の姿勢を示していく様子を、同じ境遇を共有する囚人同士の連帯と絆を軸に描いて、戦時下における軍刑務所の理不尽な実態を苛烈に浮かび上がらせた社会派戦時サスペンスとなっています。
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