くじら

西部戦線異状なしのくじらのネタバレレビュー・内容・結末

西部戦線異状なし(1979年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

 今まで見た第一次大戦についての作品は1917や戦火の馬などイギリスからの視点が多かったので、ドイツ兵から見た作品もみようと思い鑑賞。ドイツ人だけど英語なので分かりにくい。(ドイツ人もフランス語はあまり分からないことは分かった。)

感想&あらすじ
 1916年に卒業し入隊したポールとその同級生。負傷したり死亡していく新兵たち。
 第一次大戦は兵器の進歩によって戦い方が様変わりしていくが、この作品では機関銃と塹壕→毒ガス→火炎放射器とその変化が描かれていた。砲撃が止み交互にお互いの陣地へ走って攻め入る戦い方や戦場の臭いなど、ポールの目を通して詳しく描かれていた。またポールの出兵前の父親の言葉でその時点での楽観的な戦局を話していたのが悲しいこの戦争はすぐ終わらなかったから。
 兵士たちの生活についてもよく描かれていた。塹壕生活での過酷さ🐀🥖🧀💣なども描かれていた。新兵の世話係のカットが新兵の世話を焼いたり死んでいく兵にまだ子どもなのに…と嘆くのが悲しい。また、女性がいない中で同級生とナンパしたり元教官をバカにしたりと男子校のノリみたいだった。
 ポールがフランス兵をナイフで刺して殺そうとするも殺しきれず、助けようとするも死んでしまったシーンでポールが同じ人間でたまたまここであったからという表現が切ない。
 ポールが負傷し一度故郷に帰るも、家族や学校の先生の感覚が実際の戦地とは合わず、結局戦場に戻ることに。この時の彼の語りと手紙で、昔は語りかけてくれた本たちがもう話しかけてくれない、僕が以前の僕じゃなくなったからという言葉に胸が痛む。
 ポールは戦場に戻りカットとともに少ない食料を運んでいたところ砲撃に遭い負傷するカットが死にさっきまで生きていたのにと悲しむ。
 最後20人いた同級生のうち13人が死に数人負傷?1人は農家出身で林檎の花が咲く頃に逃亡を謀り憲兵に捕まったと手紙に書くポール。ポールが新兵の面倒を見ている。最後授業中にスケッチしていたように鳥のスケッチ中に倒れる。
 男子校のノリだったり、人を殺したことを後悔したり、戦場にいない人たちと感覚がズレている描写などが丁寧だった。生身の人間として描かれていることで戦争の悲惨さがよく伝わってきた。
くじら

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