皿と箸

獣道の皿と箸のレビュー・感想・評価

獣道(2017年製作の映画)
2.5
とりあえず字体といい、テーマといい、演出といい、園子温感がすごい…けど似て非なるクオリティ…
とりあえず愛のむき出し的なものを期待しない方がいいかと。

内田監督の他の作品は違う作風なので、プロデューサーから「園さんっぽい感じで!」みたいなオーダーがあったんだろうか…

日本で宗教って言うとどうしてもオウムのイメージから所謂カルトを想像してしまうと思うけど、世界的に見たら特定の信仰を持たない民族の方が少ないのでそろそろ宗教についての既成概念を更新すべき時期と思うし、むしろ個人的には日本の倫理・道徳的な没落は特定の信仰を持たないことに起因する部分も一定あると思っています。

劇中ではキリスト教も他のカルトと同様な扱いで描いていたので、
そういう意味で言うとこういう映画の存在が宗教に対しての偏見を助長する一端になってしまっている感じもあってその点においてはいただけないかなぁと。

宗教を扱うのであれば、まずはカルトとそれ以外をきちんと区別すること。
特に日本においてはオウムのイメージが強いのでこれは最低限のマナーだと思う。

あとは覚醒剤打たれて急に淫乱になるって言う描写はよく映画であるけど、これもどうなんでしょう?
そろそろご都合主義的にドラッグとかを演出で使うの自重した方がいいかと。

今まであまり内田監督の作品から真っ当な価値基準を感じた事がないのですが、
同監督ミッドナイトスワンが日本アカデミー作品賞との事ですし、評価も高いので、どれだけ化けたのか早く観たいと思っています。
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