10.28 大泉#4
36年後の答え合わせ
前作の世界観を踏襲したのはいいが、果たしてその意義があったのか(前作をそれほど好きではない層には)疑問な出来。「2001年」の続編「2010年」のように、偉大な前作に気を使いすぎた「答え合わせ」に過ぎず。
前作のレプリカントには「人間味」があった。今作は人間にすら人間味がないのが物足りない。それがこの世界の雰囲気を出す狙いなのだろうが、愛の無さがいやだ。
この監督の「メッセージ」は才気溢れる傑作だっただけに、彼の力が発揮できていたとは言い難い。プロット自体は悪くないのだが、とにかく展開が鈍重で眠い。テンポを遅くすれば重厚感が出るという勘違いか。
ジョイと偽レイチェルという「美女」を、目の前で踏みにじられる男達の悲哀。救いが欲しかった。