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ブレードランナー 2049のtakのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.5
命あるものは何かを信じて生きている。
しかし、それはあくまでも自分がどう思っているか、
という主観的なものに他ならない。
それ故に時としてその思いは切ないものになる。

・・・それは人間も、レプリカントも同じ。

30年前のオリジナル「ブレードランナー」は、とにかく繰り返し観た。
僕らのような一部世代に熱い支持があるカルト映画が、
まさか今になって続編が製作されるとは。
しかも、それはオリジナルへの愛と敬意無くしては撮れない秀作だった。

オリジナルの設定を逆手にとって、
事件の謎と自分自身のルーツという二つのミステリーが並走する見事な脚本。
ハンス・ジマーのスコアはヴァンゲリスを思い起こさせ、
レゾナンスの効いたシンセ音が劇場にいる僕たちの身体を震わせる。
随所に見られるオマージュ。
シンメトリーな構図を多用した絵画のような映像。
ハリウッドのSF映画の形をとりながら、もはやこれはアート作品だ。

すっげえもんを観た・・・と静かなるSF映画に興奮したオリジナル。
まさかその続編に、涙まで誘われるとは思わなかった。
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