予告編でも使われていた“人生は喜劇だ”というセリフは、まさにウディ・アレンの映画(そして彼の人生)そのものだと思うのですが、本編だとその後に“サディスティックなコメディ作家に書かれた”と続くんですね。他にも映画の宣伝コピーにそのまま使えそうな名ゼリフだらけなのはさすがです。
それでも今回の作品はいつものウディ・アレン映画に比べると、主人公たちへの眼差しがやさしいというか、いつもならシニカルで悲惨な結末を迎えそうなところも、ほろ苦さの中にロマンチックな甘酸っぱい余韻がある感じが良かったです。ハリウッド黄金時代の魔法もあるのかな。
それと思っていた以上にスティーヴ・カレルがたくさん出てきて嬉しかったです。声を荒げたりするシーンは少ないんですが、登場シーンからして、隣にいる男のカクテルが自分にこぼれないか神経質になってる感じがいかにもカレルだった!