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午後8時の訪問者の708のネタバレレビュー・内容・結末

午後8時の訪問者(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「町医者刑事ジェニー」って、タイトルにすればよかったのに。もちろん "刑事" と書いて "デカ" とルビを振って読ませる感じで。二時間枠のサスペンス風にね。

いくら診療時間外で自分が断った少女が、その後死んだからといって、ジェニーの責任感と罪悪感の背負い具合が凄いなぁと。刑事並みに写真片手にあちこち調べまくって、挙げ句の果てに怖いお兄さんたちからバールのようなものを片手に脅されるという展開。刑事もこれ以上、ジェニーが嗅ぎ回らないようにと、少女の名前が判明したとデタラメの名前を教える始末。どんどんジェニーの中での執着のような感じになってました。

少女に関わった登場人物のすべての人が、何かしらの罪悪感を持ってる感じで、いったい誰が犯人なのかと思ったら、患者ブライアンのお父さんでしたというあっけない感じ。音楽が一切なく、淡々と進む感じは大好きだったけど、もうちょっとひと山欲しかったかなぁ。

ケータイの着信音と診療所のブザーが、いちいち不安感を煽るのは監督の演出意図だったと思うんです。相手が誰なのかわからない感じ。電話は一切相手の声が聞こえないから、そこも不安感を煽ってました。

ジェニー役は「燃ゆる女」「水の中のつぼみ」のアデル・エネル。保守的で差別的な映画界に嫌気が差して映画界を引退すると、2022年5月のドイツ誌「FAQ」のインタビューで宣言したそうで。好きな女優さんだからもったいないなぁと思ってます。
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