このレビューはネタバレを含みます
【手を差し伸べるか】
ミステリーというよりは、医師が自責の念にかられ、死亡した少女の身元を淡々と調べていくというもの。
少女が如何わしい職に就いていた移民のため、彼女を知る人も、そうそう本当のことを話しません。
種明かしに大した意外性はありませんが、主旨は謎解きではないと感じました。
主人公Jennyは常に冷静沈着な医師。少女の死をきっかけに、高待遇で難関のポストを辞退し、明らかに患者層の低い診療所を1人で継ぐことに。看護師も受付もいないのか？どうみても多くが希望する職場ではないでしょう。
少女の身元に関しても、恐らく世間では大して注目されず、警察にしたって未解決で構わない事件なのかも知れません。誰も直視しないことに目を向ける、救われない人を救う、行くべき所に行く、やるべきことをする、そこに昼夜徹しているJennyの姿を見習いたいです。
少女はたまたま診療所のベルを鳴らしただけで、防犯カメラのある民家でも良かった訳です。映像に映る彼女の姿を見て、ドアを開けて事情を聞くか、それともトラブル回避のために居留守を使うか…。
あなたは困っている人に扉を開けますか？と問いかけている作品だと思いました。
