まつこ

わたしは、ダニエル・ブレイクのまつこのレビュー・感想・評価

5.0
気になる方は是非劇場で!
本作は「貧困に苦しむ人々を支援する団体」に有料入場者1名につき50円寄付されています。詳細はHPでご確認を。


社会制度に翻弄された偏屈だけどとってもやさしいダニエルおじぃちゃんの物語。

冒頭から引き込まれた。
真っ暗な中でおじぃちゃんのイライラが伝わるシュールなやりとり。笑いが止まらない。

誰かの税金で支えられているのだからもっと真剣に取り組めっていうのもわかるけど、デジタル機器のように精巧ではないのだから人の曖昧さも必要だと思うんだけどな。そう思う私もアナログ人間なのかな。

ある人が病に倒れ下肢麻痺のために生活保護を受けることになった時、泣きながら「申し訳ない」って言っていた。随分年下の私だけど今まで働いてきたのだからそのための社会保障じゃないですかと声を掛けたら「ありがとう」って彼は言ってたけど…働きたいのに働けないって辛いよな。世の中には彼のような人ばかりじゃないこともわかっているけど、本当に救済を求めている人のところへ届けばいいな。

皮肉と笑いとやさしさが混じった愛おしい作品。

ダニエルじぃちゃんともっともっと一緒に過ごしたかった。

尊厳はお腹を満たしてはくれないけれど、心を満たし生きる意味を与えてくれる。
まつこ

まつこ