現在の日本でも他人事ではない経済格差や貧困による問題を描いた作品。
体を崩すも、複雑な福祉システムのせいで、まともに手当も貰えない主人公ダニエル・ブレイクの目線で描かれる理不尽な弱者への扱い。それを下手に煽り立てること無く、静かに演出することで現実問題らしさが際立っていたと感じます。
特に食料援助の場面で、母親が空腹のあまり反射的に缶詰の食料をその場で食べてしまったシーンは、ここ最近見た映画でもかなり衝撃的でした。
この食べ物が溢れている世の中で、貧困が故にここまで食べることに追い詰められるなんて、想像できませんでした。
そしてラストはとても現実的。映画らしい場面は劇中所々あっても、最後はやはり現実を突きつけるところが、この作品の本気の訴えを見せつけられた気がしましたね。