Angeprunelle

わたしは、ダニエル・ブレイクのAngeprunelleのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

役人がどうこうという単純な話ではない。
制度がどうこうという単純な話ではない。

この役所の人々の態度はまさに
高慢なマジョリティの態度そのもの。

何故人はマジョリティになりたがるのだろう。
それはこれまでの長い歴史や人生において
多少汚くても薄情でも弱くても
マジョリティはそこそこ安定しそれなりに評価され
無駄に傷付いたり損を被ることはないと
知ってしまったからなのかもしれない。

職業✧役職✧肩書き✧宝石✧ブランド✧高級車✧
ありとあらゆる美しい鎧を身に纏い
醜い内面を覆い隠した鏡に映るキラキラな自分を
あたかも本当の自分と思い込む。
そして人はそんなものを見て憧れを抱く✧

弱者に寄り添い続けること
高慢にならないでいること
全うに生き抜くということは
本当に強い人でなきゃ出来ることじゃない。

本当に強い人
本当にカッコ良い人
本当に美しい人の多くは
きっと日の目を見ずに静かに命を終える。

本当に強い人
本当にカッコ良い人
本当に美しい人に
ちゃんと気付ける人はあまりにも少ない。

けれどそんな目立たないHEROに救われた人は
必ずどこかにいるんだ♡

冷ややかな目で人を見下す
鎧をかぶった弱虫ではなく
温かな目で人を見つめる手を差し伸べる
生身でも強い名も無きHEROになれたら
自分の人生も捨てたもんじゃないと
初めて思えるかもしれないな。

誰かの重荷な足手まといや邪魔者ではなく
誰かの役に立てる人間に一度でも良いからなりたいな。

そしてただの一人の人間で
それ以上でもそれ以下でもないけれど
そんな自分に誇りを持って
堂々と自分の名前の言える人間になれたら最高だな。
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