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わたしは、ダニエル・ブレイクのmmmmilkのレビュー・感想・評価

4.7
間違いなく私の中で記憶に心にずっと残りつづける映画。
社会的弱者、制度、権利色々なことについて敏感になる映画。そして見終わった瞬間からひとに優しく助けを差し伸べたいと感じた映画でした。

淡々と話は進むんだけどどんどん追い込まれていく主人公。パソコンが使えなく、オンラインができないダニエルに対して役所は、事務的義務的に淡々と進め切り捨てていく。

納税してるのは誰のため?
態度が良ければ支援してもらえるの?
それでもダニエルはなにか見返りを求めるわけでなく、ひたすらシングルマザーの親子や周りのひとに温かい愛を差し伸べていく。


缶詰のシーンは胸が張り裂けそうだった。こんなにも辛く身を削って毎日を必死に生きる人がどうして助けてもらえないのだろう。普通に食べ生きるために懸命にもがくシングルマザー。身を削って子供を愛する姿勢は儚く健気で力強く美しかった。ギュッと抱きしめたい。あなたはよくやってると。

周囲の優しさが時に温かくそして、余計に辛くなった。最期まで光はなく、闇の中。素直に正直に生きるほど苦しめられ、沈められていく。

孤立がますます強くなる社会だからこそ、自分だけよければそれでいいのかと考えさせられた。
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