じゅんP

エリザのためにのじゅんPのレビュー・感想・評価

エリザのために(2016年製作の映画)
4.2
他責他責他責他責他責イィ!
自己正当化と保身、逃げの態度が身に染み付いてしまった、それでいて自分中心ですべてを把握・コントロールしないと気が済まない主人公の、「良かれと思って」と「〇〇のために」が加速する。

監視し監視される窮屈さと、自分に利する事への歪んだ執着と、自分事以外への諦めと損得勘定を伴った無関心と。

自分が成り果ててしまったそれは忌み嫌ってきた国や社会の態度とも重なり、どう見られ、どう思われているのかわからない「ままならない現実」は、逃避し続けた柔い心に牙を向く。

会話の節々にどうしようもなく人となりが浮かび上がってしまう居心地の悪さ。
灰色の世界を次代に継承しないため、映画は微力ながら希望に寄り添う。
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