Lemmy

お嬢さんのLemmyのレビュー・感想・評価

お嬢さん(2016年製作の映画)
4.2
みんな偽者。
日本人になりたい月上。
月上が嫌になり朝鮮人になりたい秀子。
秀子の資産を狙い、日本人に扮して彼女に近づく朝鮮人の藤原伯爵。
藤原伯爵と一緒に秀子を罠に嵌めようとメイドに扮するスッキ。

みんな自分を偽っている。全ての語り手が「信頼できない語り手」となる。映画の王道的表現手法だ。(同じように黒澤の『羅生門』=芥川の『藪の中』も複数の信頼できない語り手の手法)

最終的に真実は「女同士の愛」になる。これは韓国併合(朝鮮半島の植民地支配)が日本人男性と朝鮮人男性による女性の搾取として描かれ、それを欺き崩壊させるのが日本人女性と朝鮮人女性の愛という構図ということになる。

日本と朝鮮という構図が偽物であり、むしろ男同士の絆としてのミソジニーに対抗する女の連帯が、植民地関係を逆照射するということになる。的確だ。
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