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オリ・マキの人生で最も幸せな日のsilkのレビュー・感想・評価

3.7
良かった!ここで、ユホ・クオスマネン監督が「男性と男性の恋愛を描いた作品を撮ってほしい監督第一位」に浮上したことを報告します。
リョーハ(コンパートメントNo.6)とオリには同じ「良い男」のエッセンスを感じるんだが、それが独特かつ魅力的で。監督が男性二人を主人公に据えた映画を撮る時、どうキャラクターの対比を効かせるか気になるんだ。

リョーハもオリも「社会に閉じ込められた一個人」でありそのせいで時にアカンこともするんだが、最終的には「話せば絶対に心で分かってくれる男」だという安定した信頼感を得られるところが◎ユーモアのセンスが神なので、重くなりすぎないのも良いし。

ただ、明らかにポリコレを理解しながら、昔はまかり通っていた「正しくなさ」を「正しいことだけが全てじゃない」というスタンスで描いてくれている様でそこは好きなんだが、その道具として女性が利用されている様に感じて、そこはちょっと不満。ラウラ(コンパートメントNo.6)もライヤも彼女たちの魅力が男性たちに比べるとくすんで見えたし。

北欧名物の「突然湖に飛び込む」とか「サウナで落ち着く」が出てくるのも好き。イングマール・ベルイマンの『夏の遊び』を思い出したし。
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