台湾版や日本版もあるとのニュースで興味をもっての鑑賞。
十年
多分SFや空想モノとして語るには近すぎる未来、絵空事や空想では多分共感が得られない時間感覚。
だからといって的確に言い当てることのできない時間だということもなんとなくわかる、数万人の命が奪われる大災害が起きたり、当たり前のように個人が携帯端末に管理されたり、プラスチックが捨てられなくなったり、水が国の事業じゃなくなったり、集団的自衛権が容認されたり…少なくとも勉強不足の自分には十年前には想像できなかった。
でも映画で取り沙汰されているのはまるで1984やマイノリティ・リポート、華氏451度に描かれているような、荒廃的で超統制国家な中国だった…嘘みたいだけど。
国家の異常事態は日本にもあったし、ひょっとしたら今もそうなのかもしれない。
民主化を遂げた地域が社会主義的な組織に内包されたがゆえの悲痛な叫びたいとでもいうのか…きっと、狂気は暴走するし、相対化する対象がなければ暴走にも気づかないはず。
自らの体験が相対的に今の社会を拒絶する感覚とでもいうのかな?
遠回しで控えめな表現だったけど、色味の低い、高い熱量は感じられた気がする。
香港同様、中国と一線を画した中華民国、そんな両国と無関係ではいられない日本の同作にも期待が高まるけど、非難や攻撃の対象を明らかにするのが下手くそなこの国だけに、ヤケにぼやけたお洒落映画にならないことに期待したい。
慣れっこだ
慣れちゃ駄目だ
俺の世代が慣れたせいで
君らがこんな目に
どんな時も
人のいいなりになるな
まず考えろ