Saving Banksyとは真逆の目的でバンクシー作品を扱う人の話。savingがアートの所属にフォーカスしていたのに対して、how to sellでは、価値の高いものを持て余す滑稽さや世間の評価の仕方にフォーカスしている。

バンクシーのストリートアートを剥がして、どうにかして高値で売ろうと右往左往する人のドキュメンタリー。どのようにして芸術作品に値が付き売買されるのか、ギャラリーや鑑定の仕組みなどを当人達のインタビューから知ることができる。芸術とは、絵や作品そのものの出来よりも付随する状況や、それを見た人同士に起こる会話にもバリューがあるんだなぁと分かる作品。

基本的に「金儲け目的で人のものを盗むなよ」と思うけども、またそれもバンクシーのアートなんだなとこの映画を観て思った。何がモラルで何がそうでないのか誰が決めるのか。まず「おや？？」と考えることに意味があるんだろう。