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ブンミおじさんの森のririmicaのレビュー・感想・評価

ブンミおじさんの森(2010年製作の映画)
3.7
新文芸坐でのアピチャッポンオールナイト上映にて。

アピチャッポンの作品を見るのはこれが初めてで、予告やこれまでに聞いた情報で、
文化的背景が色濃く反映されていたり、その穏やかなストーリー展開から評価されていたりと、かなり不思議な面が強く、腰を据えてみるべき作品のように思っていた。そしてそれは実際正しかった。
自分は妖精や幽霊のような文化の面は知識がないため、とても不思議だなーと思いながら見ていたが、長回しや色濃い作家性にはとても興味が湧いた。
以前スローシネマについて聞いたことがあって、その作品の中にあった『ブンミおじさんの森』。穏やかで心地いい時間の長回しが所々あったのが印象的。タル・ベーラほどの超長回しではないが、そのカットの余韻を感じさせるようなショットによる独白の時間。舞台である森、自然との相性がとてもいい。何も起きていないように見えて、そこには登場人物の思いや呼吸、森の中の動物や植物たちの会話があるように思えた。
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